
大学生になると、授業でグループワークをする機会が作られ、インターンシップや就職活動中の選考の過程でグループワークを取り入れる企業も多くなっています。
学生の間に、グループワークを得意にしておくと、大学生の間はもちろん、社会人となりよりグループワークの機会が増えたとしても、自信を持ちながら仕事を進められるようになります。
そこで、今回は、グループワークをする上で押さえるべきポイントについて紹介していきます!
グループワークとディベートの違い
よく、「グループワークとディベートは何が違うのか?」ということを理解せずにグループワークに取り組んでいる人がたくさんいます。
どちらも一定の人数で議論をするという側面は同じですが、目指すべきゴールは大きく異なります。
グループワークのゴールとは?
グループワークのゴールとは「チームの全員が合意する、(他者が)納得する答えを時間内に導き出すこと」です。
このゴールがグループワークの最も重要なところとなります。
ディベートでは、与えられたテーマに基づいてどちらがより論理的かという観点から勝敗を決めますが、
グループワークには勝敗は必要ありません。
それよりも、
・チーム内の全員が合意をすること
・他者に対して納得感を与える答えであること
・時間内に答えを出すこと
この3点が重要になります!
合意形成(コンセンサス)をとる
合意をとることを、合意形成と言ったりコンセンサスをとると表現したりします。
グループワークをしているのに、他のメンバーの意見を聞かず、協調性が低いまま議論しても、いい答えを導き出すことはできません。
一人では、たどり着けない答えを出すために、わざわざグループワークを行うので、グループメンバー一人一人の議論に対する主体性や納得度やお互いの協調関係が必要になります。
そのために、コンセンサス(合意)をとることが大切なのです。
仮に、この合意形成が取れないまま議論を進めてしまうと、議論に対して納得感を抱けず、モチベーションを感じられないメンバーが出てきてしまったり、結果グループとしての機能を果たせず、独裁的な答えを導きかねません。
合意形成(コンセンサス)をとる際のポイント
コンセンサスをとるときにいくつか心がけておくべきポイントがあります。
一つ目は、できるだけ議論の早い段階にお互いの合意を形成することです。
早い段階でコンセンサスをとることができていれば、メンバー全員が議論に対して、積極的に関わろうとします。それによって、様々な議論を交わすことができるというメリットがあります。
しかし、結論を出す直前まで、コンセンサスを取れていないと、意見も出ずらい環境の中で、議論自体も活発なものにならない可能性が出てきます。
二つ目は、意見や批判は、その人に向けたものではないと認識しておくこと。
よく、自分の考えを言ったときに他者からの意見や批判を受けると、自分の人格まで否定されているように感じてしまう人がいますが、それは違います。
あくまでも、意見をよりいいものへとブラッシュアップすべきために行なっているだけで、あなた自身を否定するものではありません。
逆に、批判を言う際は、相手のアイデアに対して述べるだけで、その人のこと自体を批判するような言い方は避けましょう。
議論を活性化させるために重要なこと
グループワークの中で議論を活性化させるために最も重要なことは、「立場を明確にする」ことです。
日本人の多くは、議論の中で、ほかの人の意見に賛成ばかりする傾向がありますが、それでは物事を1方向からしか見ることができず、議論が広がっていきません。
そうではなく、議論の中で、自分が賛成か反対なのかを明確にすることで「新たに課題が浮き上がる→解決策を考える」というプロセスが発生しより濃厚な議論となります。
また、議論を活性化させるためには、自分の本心と違う立場になりきるということも大切になります。
例えば、「消費税増税についてどう考えるか?」というテーマに対して、グループメンバー全員が反対であったら、議論が行われません。
そこで、あえて自分の本心(反対派だけど)と異なる賛成派の立場に立って議論に参加することがグループへの貢献につながる場合があります。
納得できる理由や根拠を考えること
学生のグループワークで陥りがちなのが、議論することに満足してしまい、その結論になった理由や根拠が明確ではないということです。
ディベートと違いグループワークには、勝敗はつきませんが、他者に納得してもらうための理由や根拠を考えることは重要です。
グループワークを進めていくと、グループ内のメンバー間では理解が深まっているのに、「発表するとほかの人からなんでそうなったの?理由や根拠はどこにあるの?」と聞かれてしまうことがあるかもしれません。
それでは、他者からの納得や理解を得られずに、ただの自己満足で終わってしまいます。
そうではなく、グループワークで議論を進めるときは、「こんな質問が上がるんじゃないか?」と聞き手の存在を意識しながら行うことが重要です。
時間内に結論を出す
時間内に何かしらの答えを出すことも重要な要素の一つです。
大学でのグループワークであれば、「時間が足りず話しきれなかったので、答えがまだ出ていません」と言ってもまだ許されるかもしれませんが、社会人になったらそうはいきません。
自分がもしお客の立場だとして、企業から「時間が足りなかったので、納期に間に合いません」と言われたらどうでしょうか?
(次からは、絶対に仕事をお願いしたり注文したりしなくなりますよね)
グループワークのゴールは正解にたどり着くことではなく、相手に納得感を与えられる答えを出すことです。
内容や中身ももちろん重要ですが、それよりも答えを出すことの方が100倍重要です。
「完璧」を目指すよりも「完了」を目指しましょう!!!
まとめ
今回はグループワークを行う際に意識すべき大切な3つのポイントについて紹介してきました。
・チーム全体で合意をすること(議論の質を高めるため)
・相手に納得してもらえる結論のために根拠や理由を準備(自己満足の議論で終わらないように)
・時間内に結論を出すこと(完璧より完了)
この3つを実践するだけで大きくグループワークの効率が上がります。
授業やインターンなどで、グループワークをする際にはぜひこれらを意識して周りよりレベルの高いグループワークに取り組んでください!