
いきなりですが、今の20歳の人の約半数が100歳まで生きると言われています。
そのため、今の大人と同じような働き方を真似するだけではなく、長い人生を楽しく生きていくための働き方を考える必要があります。
そこで、必要になる考え方が「キャリア仮説(キャリア・アンカー)」という考え方です。
では、いったいキャリア仮説とはなんなのか?どのようにして立てるのかについて紹介していきます。
キャリア仮説とは?
キャリア仮説とは、「自分らしい仕事とはどのようなもので、自分の長い人生をどのようなものしていくかというイメージを明確にしたもの(あくまで仮説でOK)」です。
ひと昔前のように、収入や企業のネームバリューだけで、仕事を選び人生設計するのではなく、
・自分は今、この仕事をしているのか(目的感)
・ここに至るまでにどのような道のりを歩んできたのか(経験・実績)
・将来に向けたどんなビジョンを描いているのか
・どのようなスタンス(価値基準)で生きているのか
など、人生のより本質的な部分に対して、より理解を深めるものがキャリ仮説という考え方です。
今、すでに企業に勤めて働いている方が、キャリア仮説について考えることは重要であるのはもちろんのこと、100年時代を生きる僕たちこそ、キャリア仮説についての理解を深めることがますます重要になります!
キャリア仮説を立てるメリット
このキャリア仮説を明確にすることのメリットは大きく2つあります。
自分自身への理解につながる
100年生きるためには、自分という存在への理解が不可欠になります。
他者からの期待に応えて頑張ることは、時に自分の成長につながるので、非常に重要なことですが、他者からの期待に沿って生き続けるのは、本来の自分とのギャップに苦しみ続けることでもあります。
そんな時、自分のキャリア仮説への理解を深く持っていれば、他者からの期待に飲み込まれず、自分の軸によって生きることができます。
キャリア仮説を立てると、自分の成長を長期的な視点で考えることができます
就職や転職を行う際にも有利に働く
就職活動でよく重要視と言われる、自己分析ともキャリア仮説と似ています。
就職や転職活動にかかわらず、自分の能力を他者にわかりやすく伝えるスキルはとても大切です。
いくら能力が高くてもそれを他者に伝えられなければ、能力がないものと見なされても仕方ありません。
そのためにも、キャリア仮説について理解を深めることで、「自分がどんな人間で、こういう経験があり、それらを踏まえてこういうことをしたいために、今こうしているんだ」という、より明確に企業やクライアントに伝えることができ、仕事の獲得にもつながります!
仮に自分が持っているキャリア仮説をスムーズに伝えられなくても、「この人は何かやりたいことを持っているのだな」「なぜいまのこの人があるのかということ」に納得できるのです。
キャリア仮説を立てることで、より自分への理解が広がりより、100年時代に向けて、明確な人生設計ができるだけではなく、自分の能力を最大限他者にアピールすることができる最強の武器なのです。
キャリア仮説を立てるために5つの問いに答えてみよう!
このキャリア仮説には正解はありません。自分なりのキャリア仮説(過去の体験を踏まえて今どのようなスタンスで生き、将来どうしたいかというビジョン)立てることができればそれでいいのですが、初めはなかなか立てづらいのではないかと思います。
そこで、キャリア仮説を立てるヒントとして以下の5つの質問を参考にすることをオススメします!
1.自分は何ができるのか
まずはじめに、今自分がなにができるのか(なにができないのか)について理解を深めることが必要です。
このステップを怠ると、目標やビジョンに対して、なにがどれくらい足りていないのかを把握することができなくなり、そうすると、日々の行動の質や量も定まらなくなってしまいます。
2.自分はなにをしてきたのか
1に関連する質問ですが、「自分はなにをしてきたから、これができるようになった」という原因・結果が必ず存在します。
そこで、今自分はなにができるのかということに加えて、なにをしてきたから今こうなったという流れを振り返るようにしましょう。
それによってこれから自分のビジョンを実現する際のヒントになったりします。
3.自分はなにをやりたいのか
ここからは、自分がなにをやりたいのか(スタンス)について考えて生きます。1、2の質問で現状について確認してきましたが、いまのままで満足ならなにもする必要はありません。
そうではなく、自分がなにをやりたいのか明確にすることで、それに向けて必要なステップも明確になり行動へとつながります。
4.自分はなぜそれをやりたいのか
3の理由を考える問いです。自分のやりたいことを理解し、日々行動をしていても、人間なので、逃げたくなる時があると思います。
その時に、なぜ自分はそれをやりたいのかということを明確にしておけば、立ち止まりそうになった時に目的を再確認することができます。
5.自分の人生をどのようなものにしていきたいのか
結局は、1〜4全ての問いがここにつながります。
今向き合っている課題(仕事や学業など様々あると思いますが)は、自分の人生をよりよくしていくものでなければいけません。
そのために、どんなことでもいいので自分の人生をこうしたいというビジョンを持つことが大切です。
ビジョン実現のために、仕事や学業という手段を用いて、日々の課題に向き合っているだけなのです。
キャリア仮説の具体例
今までの話を踏まえて、実際に僕が聞いたキャリア仮説の具体例を一つ紹介しておきます。
30代女性:IT
高校卒業後大学には行かず、興味を抱いていたメイク業界へと進む。はじめは雑用をこなしながらも、徐々に自分の役割が広がり、自分から企業へと営業のオファーをかけるほどにまで成長した。〈今までしてきたこと〉
しかし、仮に自分が納得のメイクを施したとしても、結局は撮影によってある程度の加工・編集できることに悔しさを感じていた。一方で、デジタルの世界にも興味をもち、社会発展のためにはデジタルやITの存在の重要性を痛感し、実際にIT業界への転職を決めた。〈今がしたいこと〉〈なぜそれをしたいのか〉
ゆとりを持ちながら自分の好きなことをやるという人生を送るために、〈これからどうなりたい〉休日はヨガ講師として、インストラクター業を並行しながら、お金を稼ぐという生活を送っている。
この女性は、先ほどの5つの質問に答えながら、自分のキャリア仮説を立てることで、仕事とプライベートの充実だけでなく、人生を楽しく成長しながら過ごせていると話してくれました。
まとめ
キャリア仮説をたてることで、自己の理解が深まり、他者に自分のことを最大限理解してもらうための手助けにもなります。
長い人生を楽しく幸せに生きるために、自分なりのキャリア仮説を設計することは必要不可欠です。
(ただ、仮説とは、あくまで「仮の真実」であるので、事細かく設定しなければと気負いせずに、取り組んでみてください!)